第76回ユニタール公開セッション 「グリーン・レガシー・ヒロシマ:自然・科学・戦争そして記憶との出会い」

2013年10月23日(広島):ユニタール広島事務所はNPO法人ANT-Hiroshimaと共同で、「グリーン・レガシー・ヒロシマ:自然・科学・戦争そして記憶との出会い」と題して、公開セッションを開催しました。このセッションでは、グリーン・レガシー・ヒロシマが継続的に行っている、広島の被爆樹木の種や苗を世界中に広めるという活動を紹介しました。被爆樹木が持つ深い意味とそのメッセージについて考える機会になったとして、100人を超える方が参加してくださいました。

最初に、当事務所のシニア・アドバイザーであるナスリーン・アジミが、種や苗を送った世界中のパートナーの取り組みも交えつつ、今日に至るまで のグリーン・レガシー・ヒロシマのビジョンや活動について説明しました。次に、樹木医の堀口力さんが、被爆樹木の特徴やその繁殖方法について説明されまし た。続いて、著名な建築家であり自身も被爆者である錦織亮雄さんが、広島の復興と都市美の形成について説明されました。

最後に、筑波大学の鈴木雅和教授が、現在取り組んでおられる被爆樹木そのものについての研究、特に幹が1本の被爆樹木のうち、その80%が爆心 地に向いて傾いているという事実について説明されました。鈴木教授は、これは爆心地側の幹の細胞が原爆の熱線と放射能によって損傷を受け、その結果、反対 側の幹の細胞に比べて成長が抑制されたことによるものであると述べられました。4人のスピーカーの説明の後には、参加者との質疑応答の時間も設けられまし た。

グリーン・レガシー・ヒロシマは、2011 年7 月に立ち上げられ、核の脅威のない世界を目指して活動している人々、地球の緑化に取り組んでいる人々、過去及び現在における戦争の犠牲者を尊敬し忘れまい と願っている人々、また純粋に自分のコミュニティに平和の庭を造りたいと考えている人々―そうした様々な人やコミュニティと共に活動することを目指してい ます。

2011年に起きた東日本大震災とそれに伴う津波や原子力発電所の事故の数ヵ月後にボランティア団体として発足し、ユニタールとANT- Hiroshima の組織的なサポートを受け、グリーン・レガシー・ヒロシマは広島そして世界中の幅広い個人・団体から急速に共感を得ています。原爆を生き延びた樹木の種や 苗は、現在約20カ国で育っています。

公開セッション並びに鈴木教授の研究結果については、中国新聞にも掲載されました。

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